Tricksters
「っていうか、このビラじゃなんの仕事かわかんねーよ……なんでこんなもん信用して電話しちゃったんだろ俺」
なんの仕事かわかんねーのに、昨夜放心状態だった俺は、50万稼げるならと考えて電話番号を押していた。
「面接をお願いしたいんですけど」
『お待ちしておりました。さっそく明日、当社にいらっしゃっていただけますか?』
「はい。でもあの、俺はずっと建設現場で働いていてスーツとか、そういった気のきいたもん持ってないんですけど大丈夫すか?」
『かまいませんよ。気楽にいらっしゃっていただければ問題ありません。
約束は午後一時でよろしいでしょうか。当社は、青天目(なばため)ビルヂング地下一階フロアーです。気を付けていらっしゃってくださいね。
とても有名なビルヂングですので、すぐに分かると思います』
ってわけで履き潰したスニーカーで、青天目ビルヂングを彷徨う。
階段を見つけたけど、やっぱり上階に行くためのものしかない。
気を付けて気楽に来てるのに、肝心の地下一階フロアーが見つからねーんじゃ意味ねーだろ!
怒りながら、青天目ビルヂングの外に出てみた。
こっちは、遊びで来てるわけじゃない。
無一文なうえに、無職だ。毎月家賃の支払いに、車のローン、携帯代の支払いもある。
絶対に、就職決めて、平均月収:50万を約束してもらわないと帰るに帰れないんだよ!