Tricksters
ああー! 女泣かせだなぁ
──ピンポーン
聞き慣れない部屋のチャイム
ゴロンと寝返りをうつ
フローリングで寝たせいで、体がギシギシいう。
あー……
ユカリさんの唇の感触ってどんなんだろ?
一度でいいから、触れてみてぇー……
──ピンポーン
うるせぇーな
誰だよ? 朝っぱらから
「淳一くん、お客様よ。
起きて! 李花ちゃんて子よ」
李花?
「……ん?」
「ユカリさん?」
ピラミッドは、昨夜のままだ。
酔いつぶれた三人も、そのままだ。
ユカリさんは、朝日に眩しい程の綺麗な笑みを浮かべる。
この人、一番飲んでたはずなのに
何でこんなに爽やかなんだ?
ちゃぶ台では、同じく二番手に飲んでたはずの所長が、胡座で新聞広げながらコーヒーをすすっている。
「淳一くん、早く起きて?
李花ちゃん待ってるよ?」
「え?」