Tricksters
「女の子待たせるんじゃねーよ。淳一
はやく行ってやれよ」
「え?」
李花?
「ユカリさん、でたんすか?」
「ええ、だって二回もピンポーンて呼ぶから気になって」
マジカヨ!?
慌てて飛び起きて、足の小指を壁に強打した。
ざけんな!
なんで、こんな広いマンションで小指ぶつけんだよ!
やたらと長い廊下を、二日酔いの頭を抱えてダッシュする。
「李花!」
李花の大好きなティーンズ雑誌から、そのまま抜け出してきたような可愛い格好をして
李花は、マンションの玄関でしたくちびる噛み締めて涙ぐむ。