ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
1 ドタキャンされた夜の、過ごし方
☆☆☆☆☆
「え?」
廊下でパタと足を止めて、
あたしは小さな声をあげる。
「ムリって……」
『ゴメン、急にトラブってさ。
もうちょいかかりそうなんだ。
今度埋め合わせするから』
電話の向こうから聞こえて
くるのは、ありがちな謝罪文句。
……そりゃ、急なら仕方ない。
とはいえ、こっちは一時間
残業して今まさに会社を
出ようとしてたところ。
ちなみにあたしの終業時間は
7時で、残業した今は
つまり、8時だ。
6時が定時の拓巳(タクミ)なら、
もう少し早く連絡できたん
じゃないの? と、つい
思ってしまう。
_
「え?」
廊下でパタと足を止めて、
あたしは小さな声をあげる。
「ムリって……」
『ゴメン、急にトラブってさ。
もうちょいかかりそうなんだ。
今度埋め合わせするから』
電話の向こうから聞こえて
くるのは、ありがちな謝罪文句。
……そりゃ、急なら仕方ない。
とはいえ、こっちは一時間
残業して今まさに会社を
出ようとしてたところ。
ちなみにあたしの終業時間は
7時で、残業した今は
つまり、8時だ。
6時が定時の拓巳(タクミ)なら、
もう少し早く連絡できたん
じゃないの? と、つい
思ってしまう。
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