ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「や……ちょっと……」


せっかちな腕が、脱ぎかけの
ジャケットもろとも、
グッとあたしを抱きしめる。


「もう、シワになるでしょ」


自分は脱いだからいいなんて
思ってたら、ちょっと勝手。


あたしは一旦やんわりと
その腕を解いて、急いで
脱いだジャケットを椅子の
背にかけた。

のんびりハンガーにかけてる
時間は、なさそうだったから。


お預けをくらった腕がすぐに
またあたしを引き寄せ、
密着する体。

吸い寄せられるように
自然と、唇が重なる。


「ぁ………んっ」


もつれあう舌に体が熱さを
増すと共に、拓巳の大きな
掌が、布の上からそっと
あたしの胸に触れる。


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