ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
声も出ないあたしの代わりに、
柚木クンが営業スマイルで
『同僚です』と答え、納得
したマスターはオーダーの
カクテルを作り始めた。


当然のように隣でそれを
眺めてる柚木クンを、
あたしは信じられない物
でも見るように見つめ、


「……どうしてここに……?」


「決まってるよ。ついて来た」


敬語ではないあの時と同じ
口調で言いながら、柚木
クンは眼鏡を外した。


そしてそれを、やっぱり
あの時と同じように、
胸ポケットにしまう。


頬に浮かぶ薄い笑みが、
何だか怖かった。

もう、当然のようにこの
表情を見せてくる、この男が。


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