ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
ただ、あたしはいつから
幻相手に恋をしてたのか。


それを、教えて。



「……ゴメン」



拓巳はそれ以外、何も
言わなかった。

弁明も、それ以上の謝罪も
しない。


彼が最後にあたしにくれた
のは、その、たった三文字
だけだった。



「……………っ!!」




………バッカみたい。



“新鮮味はなくなっても、
平凡な幸せ”?


それは一体、何だったんだろ。


そんなものは、どこにも
なかったのに。


あたしはただ幻影を抱き
ながら、それなりに平和
だと、錯覚してただけ
だったんだ。


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