ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
今のあたしには――優しい
言葉の方が、痛いの。
自分自身に呆れ返ってる
今は、いっそ笑い飛ばして
くれた方が、どんなにか
楽なのに……!
「離してよっ。離してっ……」
一度は止まったはずの涙が、
またあたしの視界を揺らす。
懸命に我慢しようとした
けど、多分効果はほとんど
なかった。
「完全に失えば、何だって
寂しい。
いいじゃん。泣けば」
ホラ――あなたが、
そんなことを言うから。
熱い雫は、再び頬を伝う。
後から後から溢れ出て、
音もなく、柚木クンの
コートにシミを作っていく。
_
言葉の方が、痛いの。
自分自身に呆れ返ってる
今は、いっそ笑い飛ばして
くれた方が、どんなにか
楽なのに……!
「離してよっ。離してっ……」
一度は止まったはずの涙が、
またあたしの視界を揺らす。
懸命に我慢しようとした
けど、多分効果はほとんど
なかった。
「完全に失えば、何だって
寂しい。
いいじゃん。泣けば」
ホラ――あなたが、
そんなことを言うから。
熱い雫は、再び頬を伝う。
後から後から溢れ出て、
音もなく、柚木クンの
コートにシミを作っていく。
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