ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
そりゃ、これだけ泣けば
メイクもグシャグシャだし、
目も腫れてしまってるだろう。


予想はつくけど……だから
ってわざわざそんなこと
言わなくてもいいじゃない。


「泣けって言ったの……
柚木ク、でしょっ……」


「あー、別にいいよ、
しゃべんなくて。

てゆーか、もういい」


「………………?」


「それだけ泣けば充分だろ。
拓巳サンとやらには。

――後の涙は、オレが貰う」


(は――――…?)


声にならない声をあげて、
ポカンとした瞬間。


唇に一陣の風のように舞い
降りたキスが、あたしの
呼吸を奪っていった。


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