ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「んんっ………!?」


驚きに硬直するあたしを
強く抱きしめて、性急に
深さを増す激しいキス。

巧みな舌使いに、なす術も
なく翻弄される。


「ぅんっ……ふぁっ……」


拓巳のそれとは全然違う、
荒々しいキスだ。


こんなキスは初めてで、
頭の芯がジンと痺れる
ように熱くなる――…。


「――そんな顔してたら
奪っちゃうけど。

マジでもう逃げ道ないよ、
里中さん?」


キスの合間に、耳元に声が
埋められた。


でももうあたしには、その
意味もよくわからなかった。



……忘れられれば、もう
どうでもいい。


そんなふうに、思ったの
かもしれない。


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