ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
それに、昨日帰らなくて
とか会社とか――一連の
言葉から思い浮かぶのは、
何とも腹立たしい疑惑。


「……今の、誰なの?」


あたしは極力平静を装った
声で聞いてみた。


すると柚木クンはチラリと
こっちを見て、平然とした
顔で答える。


「ん? オレの同居人。

っていうか、飼い主かな」


「……………は?」


飼い主? 何、それ?


「毎朝起こすのがオレの
仕事なんだ。

だから、一緒にいない
日にはモーニングコール。
これ忘れると怒られるから」


「そっ、そんなことは
聞いてないわよっ」


装った平静はつかの間、
あっという間に上擦った
声をあげるあたし。


_
< 157 / 469 >

この作品をシェア

pagetop