ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「美咲のせいだよ。

オレがあの家に帰りたく
ないと思うような顔を
見せるから。

それが全部、悪いんじゃないか」


「え―――…?」


意味ありげなセリフに
ドクンと胸が躍り、動揺する。


その一瞬の隙を逃さず、
柚木クンはいきなりあたしの
腕を掴むと、シレッとした
口調で言った。


「寒いよ。とにかく中に入ろう。

部屋は502だっけ?」


グイグイ引きずられるように
歩き、オートロックも有無を
言わさぬ眼光で睨まれ、
開けさせられる。


そして数分後には――
あたしの部屋のリビングで、
当然のような顔をして
ネクタイを緩める、ただの
後輩だったはずの男。


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