ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「――いえ、何も。

行ってきます」


柚木クンは抑揚のない声で
答え、すぐに資料をまとめると
立ち上がりオフィスを
出ていった。

あたしと奈々は、ポカンと
それを見送る。


「どーしたんだろ?
彼がボーッとしてるなんて
珍しいね」


首を傾げる奈々に、あたしも
曖昧に頷いた。



―――その後いくつかの
オーダーをあげつつ午前中が
終わり、お昼になる。


客商売だから基本休憩は
バラバラなんだけど、直接
接客のないチーフは12時
からと固定されてる。


だけど奈々は部下が
ややこしい接客中だから
時間をずらすって言ったんで、
あたしは一人でランチを
取りに出ることにした。


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