ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
……やっぱりどこか、今日の
彼は“らしくない”気がする。


あんな口調で話してきたのも、
もしかしたら、はぐらかす
ためだったのかもしれない。

逃げるように去ってしまった
背中を思い出したら、
そんなふうに思えた。


(何よ……。あたしには
言えないっていうの……)


ふと、胸をかすめる、
不思議な感覚。


冷たいすき間風が吹いた
ような……。

大事にしてるペットに手を
差し延べたのに、スッと
無視されちゃった時みたいな、
そんな感じ。


(――って、アイツは
あたしのペットでも、
大事にしてもないけど)


……だけどそれでも、心に
感じた物悲しい冷たさを、
あたしは拭うことが
できなかった――…。





     ☆☆☆☆☆


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