ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「言っとくけど、蘭子さんと
飲んでたわけじゃないよ。

あの人とは、あの後すぐに
別れた」


「……………っ!」


ピクッと小さく肩を震わせ、
マジマジと柚木クンの顔を
見てしまう。

まだ眼鏡をかけたままの
瞳と、視線が絡み合った。


「――オレが、今夜はあの
人と寝るって思ってた?」


「……………」


やっぱり、柚木クンは
全部お見通し。


そうだよね。だって彼は、
嫌になるくらい鋭いもの。

今さら取り繕ったって、
きっとそんなのは無意味だ。


「……ゴメン。

ロビーに降りたら、二人が
一緒にいるのが見えて……」


ようやく、あたしは
その言葉を紡ぐ。


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