ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
柚木クンはなぜか自虐的に
フッと笑って、


「別にいいよ。

ってゆーか、スルーされたら
されたで、それもシャクだし」


そう言うと、いつものように
慣れた仕草で眼鏡をはずし、
近くのローテーブルに置いた。


「だから場所を変えようって
言ったんだ。

だけど蘭子さんが勢いづいて、
あんな所で話し込むから……」


最後の方は独り言のように、
声を落として呟いていた。


複雑な思いを感じながらも、
あたしは少しだけホッとする。

どうやら柚木クンは、
あたしを責めるつもりは
ないらしい。


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