ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「祖父母以外には援助して
くれるような親類はなかった
から、母親は仕事を変えた。
運送業じゃ一晩中帰って
これないこともあるからね。
幸い少しの財産と家は
残してもらえたから、昼の
仕事を始めたんだけれど――
やっぱり年々、生活は
厳しくなっていったかな」
そこまで話した時、どこか
遠いところをさ迷っていた
柚木クンの視線が、パッと
こちらに向く。
思わずドキッとするあたしに、
彼はほんの少しだけ皮肉
めいた笑みを浮かべて、
話を続けた。
「母親が蘭子さんに会った
のは、そんな時だよ。
たしか、オレが小6に
なってすぐの頃だったかな……」
_
くれるような親類はなかった
から、母親は仕事を変えた。
運送業じゃ一晩中帰って
これないこともあるからね。
幸い少しの財産と家は
残してもらえたから、昼の
仕事を始めたんだけれど――
やっぱり年々、生活は
厳しくなっていったかな」
そこまで話した時、どこか
遠いところをさ迷っていた
柚木クンの視線が、パッと
こちらに向く。
思わずドキッとするあたしに、
彼はほんの少しだけ皮肉
めいた笑みを浮かべて、
話を続けた。
「母親が蘭子さんに会った
のは、そんな時だよ。
たしか、オレが小6に
なってすぐの頃だったかな……」
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