ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「二人の立場はすっかり
逆転してた。

蘭子さんの方が、社会的にも
財政的にも圧倒的に上を
いってたからね。

“妹分”だった頃は先輩風
吹かして強気で接してた
母親には、戸惑いの方が
強かったと思うよ」


柚木クンはまた、昔を思い
出すように視線を上に向けた。

きっと実際に母親と蘭子
さんが会って話すところも、
見たことがあるんだろう。



「――だけど蘭子さんは、
懐かしさからか随分好意的で。

生活が大変なら、優遇する
から自分と一緒に仕事を
しないかと誘ってきたんだ。

近い将来は本格的な会社
経営も考えてるから、
今より絶対にいいからって」


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