ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
やがて荷造りを終えた柚木
クンは、荷物を持って課長の
席に移動し、


「終わりました」


「ああ。手続き関係の
書類は、後日人事課から
郵送されるだろう。

本当に残念だが……
これからも、しっかりやれ」


「はい」


課長に頭を下げる柚木クン。


顔を上げるとクルリと振り
返り、オフィスに残った
面々を見るともなく
見渡してから、


「――お疲れ様でした。

失礼します」



そうして柚木クンは、紙袋と
バッグを両手に提げて、
オフィスを出ていった。


さすがにあっけないと
思ったのか、奈々がツツッと
移動し、課長に小声で
話しかける。


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