ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
キョトンとしている奈々に、
あたしは小さくアゴで
方向を示して、
「あそこ。談話スペースの
奥の方の席よ」
そこには、黒いロング
コートの中年男性が一人
座っている。
テーブルの上には、小さめの
アタッシュケースと新聞。
いかにもビジネスの空き
時間をそこで過ごしていると
いう感じで、別にこれと
いって不審なところは
ないんだけれど……。
(昨日だけじゃなく、
おとついもいたと
思うのよね……)
おとついの昼、フッと顔を
向けた時に、たしかあの人と
目があった。
昨日は気づかなかったけれど、
今日も同じ姿を目にした
ことで、思い出したんだ。
_
あたしは小さくアゴで
方向を示して、
「あそこ。談話スペースの
奥の方の席よ」
そこには、黒いロング
コートの中年男性が一人
座っている。
テーブルの上には、小さめの
アタッシュケースと新聞。
いかにもビジネスの空き
時間をそこで過ごしていると
いう感じで、別にこれと
いって不審なところは
ないんだけれど……。
(昨日だけじゃなく、
おとついもいたと
思うのよね……)
おとついの昼、フッと顔を
向けた時に、たしかあの人と
目があった。
昨日は気づかなかったけれど、
今日も同じ姿を目にした
ことで、思い出したんだ。
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