ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
(なんなの、一体……?)


得体の知れない胸騒ぎを
覚えた翌日。


あたしは、さらに信じられ
ない人物の来訪を受ける
ことになる。



――一日を終え、帰宅しようと
ビルを出た時だった。


今日は奈々が後輩のフォローで
居残りになってしまい、
あたしは一人でいた。


その背中に、唐突に声がかかる。


「ちょっと、あなた」


あたしが呼ばれてるのか
どうかもわからない呼び方
だったけど――でも、
あたしはすぐに振り向いた。

その声に、聞き覚えが
あったから。


「ら―――…っ!!」


柚木クンから聞かされた
呼び名で叫びそうになって、
あわてて声を飲み込む。


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