ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「あっ………」


蘭子さんはクルリと踵を
返すと、さっさとビルの
出入口を離れ歩道に出る。


あたしがついて来るかどうか
確認もせず、ブーツの踵を
鳴らして一人で歩き始めた。


(ちょっと待って、
なんでっ……!?)


パニックに陥りそうに
なりながら、必死で考えた。


あたしと彼女の関係は、
会社社長と、その提携企業の
一社員。

たったそれだけなら、こんな
ふうに社長自らがあたしに
声をかけることなんてないはず。


だけどもし、それだけじゃ
ないとしたら。


他にあたし達を繋ぐものが
あるとすれば、それは、
柚木クン以外にはありえない。


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