ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
柚木クンとの関係は、誰も
知らないはずだけれど……
それでもその可能性を
考えた時、あたしは心を決めた。


蘭子さんの思惑は見当も
つかない。

でも、柚木クンに関係が
あるかもしれないなら、
その話を聞いてみよう。


ううん、むしろいつの間にか、
それが聞けるかもしれないと
いう期待すら芽生えてる。


だって、彼が会社を辞めて
から今日まで――今どこで
どんな生活をしてるのかを
気にしなかった日は、多分
ほとんどないんだから。



「―――乗って」


会社を少し離れた路上で、
蘭子さんはそう言って
車道を目で示した。

そこはパーキングスペースで、
一台の赤いボディの車が
停まってる。


_
< 372 / 469 >

この作品をシェア

pagetop