ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「あなたもかけて。

ワインか何か、
用意しましょうか?」


ワインって……彼女の目的も
わからず、『頂きます』とは
とても言えない。

もしかしたら緊張をほぐす
ためには、アルコールでも
入ってた方がいいのかも
しれないけど。


だけどこんなふうに連れて
来られたことで、もうほぼ
ハッキリした。


彼女の目的が仕事絡みと
いうことはありえないだろう。

彼女はあたしと内密の話が
したくて、こんな場所を
選んだんだろうから。


「……けっこうです」


あたしは短くそう言って
申し出を断り、ソファにも
座らずに立ち位置だけを変えた。

ソファの右、蘭子さんの
斜め前の位置に立つ。


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