ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
義務だなんて嘘だ。


この人は――自分の欲望の
ためにやってるに違いない。


(最低………!)


最初からいい感情は持って
いなかった。

だけど話をして、蘭子さん
への嫌悪感が見る間に明確な
形を持ってムクムクと胸を
覆い尽くす。


この人は、本当に柚木クンを
独占しようとしてる。

彼の気持ちなんてお構い無しに。


「……あなたは、柚木クンの
親代わりなんかじゃない。

住む所と食べ物を与えて、
利用しただけじゃないですか」


自分でも驚くほどの、嫌悪を
あらわにした声が出た。


頭の片隅で、この人は提携
先の社長なのよ! とハラ
ハラしてるもう一人の
自分の声もする。


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