ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
もちろん彼女には、それを
実行するだけの力がある。

彼女は本気だろう。


「最低―――…」


もう何度、この言葉を
繰り返したかしれない。



―――仕事か柚木クン、
どちらかを選べって?

冗談じゃない。そんなの、
天秤にかけるようなこと
じゃない。


それに仕事はあたしに
とって掛け替えのないものだ。


やりたくて選んだ、今の仕事。
苦しい時期もグッと堪えて、
ようやくチーフっていう
役職も得たのに。

手放すことなんて、できる
わけない。


「あたしは――…」


迷いは不思議となかった。


あたしは深く息をついて、
まっすぐに目の前の蘭子
さんを睨みつけた―――。





     ☆☆☆☆☆


_
< 392 / 469 >

この作品をシェア

pagetop