ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
蘭子ならインターホンなど
鳴らすはずがないし、連絡も
せず直接訪問するような
彼女の知り合いがいるとは
思えない。


とすれば、あれは蘭子の
求めざる客。


ここは一階エントランスに
コンシェルジュも常駐する
ほどの高級マンションだ。

セールスの人間などすぐに
諦めるか、コンシェルジュに
見咎められてさっさと
帰ってしまうだろう。


と、そう思ったのだが……。


“ピンポーン!”


――以外にも、わずかの
間を開けてもう一度音が
鳴り響く。


それにも無視を続けていたら、
その後には連続で二回、
“ピンポンピンポーン!”と
急かすように鳴った。


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