ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
瞬也は混乱した。
取り乱すなど柄にもないと
思うが、相手が美咲とあっては
自分は形無しだ。
彼女だけが、自分を乱す。
後ろ髪を引かれる思いで
別れてきた。
だがその後も、彼女のことを
完全に忘れることなんて
到底できなかった。
その彼女が、今、機械越しに
目の前にいる――…。
「……………っ」
躊躇ったが、媚薬のような
衝動が抑え切れず、瞬也は
葛藤しつつも震える指先で
通話ボタンを押した。
だが、様子を見るため
言葉は発しない。
無言で映像の中の美咲を
伺っていると、聞こえて
きたのは勢い込んだ大声だった。
『柚木クン? 柚木クンでしょ!?
ちょっと、なんで何も
言わないのよ?』
_
取り乱すなど柄にもないと
思うが、相手が美咲とあっては
自分は形無しだ。
彼女だけが、自分を乱す。
後ろ髪を引かれる思いで
別れてきた。
だがその後も、彼女のことを
完全に忘れることなんて
到底できなかった。
その彼女が、今、機械越しに
目の前にいる――…。
「……………っ」
躊躇ったが、媚薬のような
衝動が抑え切れず、瞬也は
葛藤しつつも震える指先で
通話ボタンを押した。
だが、様子を見るため
言葉は発しない。
無言で映像の中の美咲を
伺っていると、聞こえて
きたのは勢い込んだ大声だった。
『柚木クン? 柚木クンでしょ!?
ちょっと、なんで何も
言わないのよ?』
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