ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
(え―――…?)


蘭子ではなく自分の名が
呼ばれたことに、ハッと
目を見張る。


『柚木クンってば! 

開けてよ! さっきから
コンシェルジュの人に
睨まれてるんだからぁっ』


焦りぎみの声が再び
スピーカーから流れてきた。


反射的に『そりゃそうだろ』と
思いながらも、瞬也は懸命に
思考を整理する。


こう話すということは……
美咲は蘭子にではなく、
自分に会いに来たという
ことか……?


(どうして――…?)


『話をしにきたのよ! 
早く開けてってば! 

このまま逃げるなんて
卑怯よ、コラ!』


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