ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「蘭子さんとああなった
時点で、オレはもう普通の
恋愛なんてできないと思ってた。

それが自分の生き方なんだと
思ったら、別に苦しくは
なかったよ。

いつの間にか、女に興味が
向くことなんてなくなってた」


暗がりの中、瞬也の目が
どこか遠い所をとらえてる。

昔を思い出してるんだろう。


「それが、ピュアスプリングに
入社して初めて、気になる
女が現れた。

いい大人なのに、やたら
仕事熱心で熱くて。

たまに子供みたいに怒ったり、
へこんだりしててさ」


「え…………」


あたしは複雑な気持ちで
小さく声をあげる。


もちろんそれはあたしの
ことを言ってくれてるん
だってわかるけど、その
言い方、あんまり褒めて
ないんですけど……。


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