ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「……あ、ほらまた怒った。
拗ねないでよ」


「べ、別に拗ねてはないわよ」


ムキになって言い返すと、
瞬也はまた笑いながら、

『拗ねてるだろ。美咲は
わかりやすいんだから』

と囁く。


そして、あたしの頭の下に
ある右腕を曲げ、掌で優しく
あたしの髪に触れてこう続けた。


「美咲は純粋な子供みたいに
可愛かった。

オレにはそんな美咲が
眩しくて、つい気になって……。

他人に興味なんて持ったって
仕方ないと思ってたけど、
無理だったよ。――新入
社員歓迎会で、陥落した」


新入社員歓迎会。

それは前に言ってた、
入社した理由を話した
時のことだろうか。


_
< 434 / 469 >

この作品をシェア

pagetop