ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「瞬也………」


あの時に気づかれて
しまったんだ。あたしが
かりそめの幸せに浸かってる
だけだってことに。


「だから、あたしのせいだ
なんて言ってたのね……」


「そういうこと。

まぁキミに引っぱたかれて
拒絶されたら、今オレは
ここにいなかったと思うけど」


フッと笑う瞬也の吐息が
髪に落ちた。


――あの時は何もわかって
なかった。

でも、今ならわかる。


「ずっとここにいて。
これからも」


あたしの体を抱きしめられる
距離に。


陥落したのは、あたしも同じ。


仕掛けられた恋だったけど――
あたしも、瞬也のことが
好きになってしまったから。


_
< 437 / 469 >

この作品をシェア

pagetop