ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「美咲の住所も知れてる。

例え逃げたって、あなたには
探すことくらいたやすいでしょ」


瞬也が静かに答える。

それにフッとため息の
ような笑いをこぼす蘭子さん。


「もちろんそうね。

……逃がしはしないわよ。

夕べ一晩だけ、待って
あげようと思ったの。
そして戻って来なければ……
ま、その先は言わなくても
わかるわよね」


――どこまでも、瞬也を
探して追いかける。

きっと、そういうことが
言いたいんだろう。


「………………」


瞬也は何も答えず、沈黙が
訪れた。


あたしも少し戸惑って、
まだ二人の様子を伺うに
とどめていた。


_
< 448 / 469 >

この作品をシェア

pagetop