ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
今度は長い長い沈黙が訪れた。


あたしは瞬也の手を握る掌に
グッと力を込め、ジッと
蘭子さんを見つめ続ける。


蘭子さんはあたしからも
瞬也からも目をそらして、
どこか遠くを見ていた。


軽く下唇を噛んだ表情は、
激しい感情を懸命に
隠しているように見える。


「―――いつから気づいてたの」


やがて蘭子さんが発したのは、
そんな問いかけのような言葉。


だけどその意味は、あたし
にはわからなかった。


それを理解したのは瞬也
だけで、瞬也は静かな声で
答える。


「つい最近だよ」


「―――そう。

そして、あれが、あなたの
答えなのね」


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