ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「――当然だろ?

ねえ蘭子さん。オレと何度
寝たって、そんな関係は
まやかしだ。

あなたも気づくべきだよ。
そしてもう本当に、オレの
ことは忘れて」


「………………っ」


蘭子さんは答えない。


その沈黙が何を意味するのか――
あたしにも、きっと瞬也にも、
正確には推しはかれて
いなかったかもしれない。


再びの沈黙の後、蘭子さんは
椅子を回してあたし達に
背中を向けた。

そして、かすかに震える
小さな声で、


「――後悔するわよ、きっと」


それはどういう意味だろう。


やっぱり、とことん妨害
してやるってことだろうか?

あたし達のことなんて
認めないって。

だけどそうだとしても、


「かまいません」
「かまわない」


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