ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
これは、本当に現実?


夢じゃないかと疑うあたしに、
柚木クンはさらに信じられない
言葉を落とす。


「説教というよりはお仕置きか。

いいですね。
なんか、アヤシイ響き」


「ゆ、柚木ク――…!」


ダメだ。

なんかよくわかんないけど、
ヤバい。


本能が、頭の隅であたしに
そう告げる。


この空気は、いけない。
早くどうにかしないと。



―――そう思ってるはずなのに。


なぜかあたしの体は、
囚われてしまったかのように
指先一本動かせなかった。


(やだ……なんでっ……)


「そんな顔しないでも
いいですよ。

別に怖いことはしません」


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