ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
誰かが入ってきたからって
顔をあげることもない。
直接間近で挨拶されない
限り見向きもしないのは、
いつものことだ。
でも今日は、その態度が
やたら気に障る。
昨日ダテだと判明した眼鏡も、
今日はまた当然のように
かけて、いつもと同じ顔で。
昨日この場所で、あたしに
あんなことをしたくせに――…。
(……こ、こらっ。
思い出すんじゃない!)
自分で自分を叱咤して、
あたしは席に荷物を置くと
小さく深呼吸をした。
そして、キッとその憎らしい
姿を見据えて、歩み寄る。
「―――柚木クン」
_
顔をあげることもない。
直接間近で挨拶されない
限り見向きもしないのは、
いつものことだ。
でも今日は、その態度が
やたら気に障る。
昨日ダテだと判明した眼鏡も、
今日はまた当然のように
かけて、いつもと同じ顔で。
昨日この場所で、あたしに
あんなことをしたくせに――…。
(……こ、こらっ。
思い出すんじゃない!)
自分で自分を叱咤して、
あたしは席に荷物を置くと
小さく深呼吸をした。
そして、キッとその憎らしい
姿を見据えて、歩み寄る。
「―――柚木クン」
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