ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
だけど、あたしは知って
しまった。
あの眼鏡の奥に潜んでた、
彼の本当の顔を。


(奈々は騙されてるのよ。

奈々だけじゃない――
会社の人間、みんな)


アイツが本当はとんでもない
S系エロ男なんだって、
バラせるならバラしてやりたい。


だけどそれはイコール、
夕べあったことをみんなに
打ち明けること。


年下の部下にいいように
翻弄されたなんて、とても
じゃないけど言えない……。



―――ものすごく悔しい
けど、あたしは口をつぐむ
しかなかった。


今も返す言葉の出なかった
あたしを、奈々は不思議
そうに見て、


「どうしたの? 

なんか今日、全然元気ない
じゃん。その始末書の件で
落ち込んでんの?」


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