ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
「え? そ、そんなこと
ないわよ。

っていうかあたしが落ち
込むようなことじゃないじゃん」


慌ててごまかして、ストローで
アイスティをゴクリと飲む。


“元気ない”だなんて――
何だかあたしが昨日のことで
調子を崩してるみたいなのが、
妙にくやしかった。


(――もう忘れよう。

柚木クンだって、何事も
なかったように素知らぬ
顔してたじゃない)


彼がなぜ本性を隠してるのかも、
夕べあたしにその片鱗を
覗かせたのかも、あたし
には知りようもない。


だけど、向こうがそれを
なかったことにしようって
いうなら、それでいい。

ううん、むしろその方が
ありがたい。


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