訳有僕等

 あたしが他と違うということを。

 幸せな時間を過ごせば過ごすほど、家に帰るのが嫌になる。

 だけど、帰らなければならない。

 あたしは、家の扉を開け何が飛んでくるのか身構える毎日を送っていた。

 鳴海 萌子(なるみ もえこ)はあたしの実の母親だ。

 酒狂いのバカ女。

 母親と思えない暴言の限りであたしを罵る。

 早く、明日になれと祈りながら。

 願いながら。

 母の暴言を浴びながら眠る。

 
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