訳有僕等
そして翌日。
私の隣の席に、そいつはいた。
顔、腕、首は絆創膏だらけで、不良にみえなくもないが、その穏やかな顔がああ、苛められる方かと納得させる。
「あ。昨日の」
そいつはバカみたいな笑顔で、バカの様な言葉を出した。
「あぁ。よろしくな。」
社交辞令にそいつは満面の笑みで笑う。
「よろしく。ボク、水原 直人(みずはら なおと)。君は?」
尋ねられれば名乗らなければならない。
「…鳴海 聖子(なるみ さとこ)。」