ナミダヅキ
「人・・・?」
先ほどまで冷静沈着だったアカカギの声が裏返っている。
私は声が出せないまま何度も口を動かした。
「ちょっとまて・・・そんな事どうやって・・・」
アカカギの戸惑った質問が私を我に帰らせた。
「ナミダさんの身体を借りるの。」
へ・・・?
アサギの問題発言が私の脳内にこだます。
再び失神しそうだ。
「私の身体を・・・?」
困った私の顔に気づいたアサギは両手を組み、うる目を私に向けながら・・・
「お願いします・・・。」
反則の天使ボイスを流した。
私はつかさず組まれたアサギの白い両手を包むように握り締める。
「わかったわ・・・人ライフ、楽しみなさい!」
「ナミダさん・・・!」
手を取り合う私たちの間でアカカギは小さなため息を吐いた。