ナミダヅキ
「いいよ。ちゃんと返してくれるなら。」
アカカギの横にアサギも並んだ。
この人?達なら信じられる。
お互いの事・・・思いあって・・・
大切だって事・・・誰が見ても解かるもの。
「ナミダ、アサギと手を繋いでくれ。」
私はアサギの手を取る。細すぎるか弱そうな手だ。
アカカギが私とアサギの前に立った。
「ナミダ。アサギがお前の身体に入っている間、お前は魂として人には見えない姿となる。迷わないよう、俺について来るんだ。絶対に一人で行動するな。」
「わかった。」
私の返事を待っていたかのようにアカカギが頷いた。
「限界は日暮れまでだ。」
アサギと私は目を閉じる。
アカカギが手を合わす音と共に密室に風が吹いた。
しばらくすると地から足が離れた気がした。
身体が浮いているように軽い・・・
「もう良いぞ。」
ゆっくりと目を開けると私がいた。
アサギはうまく私に乗り移れたようだ。