おかしいよ






「あ、..旭谷先生っ」




  くるっ



「はい?」

「...あのっこれ」

「ん?、..課題?」

「はい」





呼び止めた旭谷先生は
階段を降りる1歩手前で
あたしの呼びかけに振り向いた



あれ?と整った顔を苦笑させる先生




「何故、今?」

「出しそびれてて..」

「ふうん、じゃ貰うね」


淡く笑うと先生はあたしの手から
課題をするっと受け取り
課題を軽く挙げて


「じゃね、次は遅れちゃ駄目だから」



と意地悪く笑って背中を向けた






まだ、まだ、あるっ、のに











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