野球に恋した、君に
背番号0
野球に恋した、君に
恋した。
高1の春。
真新しい制服に着替えるあたし。
なんか…ダサい。
だって!!
ブレザーにネクタイなしって
どんな神経してんのおぉぉ!?
しかも、夏服はセーラーだし。
中学もセーラーだったし。
まぁ、この高校受かっただけでもいっか。
入学式は思ったとおり長くて、
でも、楽しかったし(笑)
その原因はこいつ。
「小出ー!!」
一応、幼なじみの
上園 有志。
かみぞのゆうし、ね。
「ゆーし、受かってたんだ。」
「え、この有志様が落ちるとでも思ったか!」
「…ちょっとね。」
「てか、校長ピカピカじゃん!!」
「くっ…ちょっと、やめてよ!!」
先生達はこっちを見ないで
校長の頭ばっか見てるように見えた…
そんなバカな話してたら
入学式が終わった。
ゆーしは、隣のクラスで2組。
あたしは、1組。
あんまり同じ中学の人が
いなかったから、しょうがなく
ゆーしといた。
HRが終わって、さっさと帰ろうとしたら
部活勧誘の嵐。
あたしはその間をくぐり抜けた。
ローファーを履くと…
―カキーン。
金属と何かが当たる音がした。
全てはそこからはじまった。