万事急須っ!?
俺は暫くその少女に見とれてしまった。
その少女は黒くて大きな瞳。
1つに結った綺麗な黒髪。
美しく着こなしている着物。
和製美女とはまさに彼女のことだろうと思った。
歳は大体俺と同じくらいだろうか?
……ん?
ちょっと待てよ?
今"新しい御主人様"とか何とか言わなかったか?
「私は急須の精、麥(ムギ)と申します。
御主人様、御命令は何なりと。」
……どうやら俺は頭をよっぽど強く打ったらしい。
イカれる程に。