【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
彼女かな?


でも、そんな感じでもないような…。


「じゃあ明日店行くね」


そう女の人が陽介に手を振ってマルキューの中に入って行った。


「ねぇ」


手を振って見送る陽介のシャツを引っ張る。


「え?」


振り返った陽介を少しの間見つめた。


「陽介と直樹って何のバイトしてるの?店ってあの女の人も言ってたけど、何の店?」


そう聞くと、あー…と考えるような声を出し、黒目が斜め上を向いた。


私の隣にまた座り、タバコに火をつける。


煙りを吐き出した後、私を見て目尻を下げながら笑った。
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