【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
ずっとこんな時間が続くような気がして、それを求める自分もいた。


自由になりたい。


早く大人になりたい。


現実に戻っていく帰りの車の中で、そう心の底から思った。


今は戻りたくても戻れない時間を、あの頃の私は早く過ぎ去ってくれるのを願ってた。


大人になれば、記憶も薄まる。


忘れていくことができる。


許せる自分の人生がある。


そう信じてた。


描く未来は、いつだって幸せな自分だったんだ。
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