【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「直樹、何してんの?」


こっちに歩いてくる直樹に小走りでかけ寄った。


「友達ん家に行くとこだったけど、はるかこそ何してんの?」


直樹の言葉に口元が緩む。


電話越しでは何度も呼ばれた”はるか”。


でも顔を見て呼ばれたのが、こそばゆくて嬉しくてでも恥ずかしくて、口元を隠すようにタオルを当てた。


直樹と渋谷に行った後会ったのは初めて。


だけど、しょっちゅう電話とメールはしていた。


直樹の家は、近所とは言えないけれど同じ中学の学区内だった。


「子供たちと遊んでたの」

そう言うと、私の後ろで遊ぶ子供たちに視線を向けた。
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