【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
部屋に行くと、いずちゃんが他の子と談笑している。


「あ、お帰り。お疲れ!」


笑顔を向けるいずちゃんから、つい顔を反らせてしまった。


「これ…直樹から忘れ物って」


「え!?」


目を丸くするいずちゃんに、左手で握りしめていたピアスを渡した。


「あ…」


小さくもらしたいずちゃんの声。


私は聞こえなかったフリをして、2段ベッドの階段を登った。


何でか分からない。


分からないけど、モヤモヤしてイライラする。


隠してたいずちゃんに?


それとも直樹に?


分からない。


だけど胸につっかかる。
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